面白半分

ブログの内容は個人の感想、バイアス満載。異論しか出てこないようなことを書いてます。あと、文章を書く練習中。

相場を知らなければ、ヤツらの言いなり

これは「美味しいコーヒーの真実」という映画で出てきた言葉です。

1杯約300円のコーヒーの裏側で、6ステップもある中間流通を介さず直接焙煎業者やコーヒー販売業者に売り込むエチオピア農協の奮闘と、途上国の生産者が先進国の巨大企業(P&Gネスレスターバックスなど)主導のマーケットに翻弄されるさまを描くドキュメンタリーであります。発展途上国の人々が低賃金で労働し、それでもやればやるほど貧しくなっていくという窮状を訴えていくわけですが、ワタクシの場合「フェアトレードのコーヒーを買おう」とか「搾取される生産者の貧困をどうにかするために立ち上がろう」みたいにはならず、エチオピア農協のタデッセ・メスケラ氏の戦いが気になって仕方ありません。中間流通を介さない販売ルート開拓の結果どうなったのか、と。映画の中では利益で学校を作る、とか出てきますが、コーヒー農家がどうなったのか、もっと知りたいですね。
あとはやっぱり客を掴んだ人の勝ちだよね、というもの改めて実感する次第なのですね。ネスレだのスタバだの、最終消費者と繋がっていることがいかに強力であるか。顧客と繋がりながら、彼らのニーズを満たし、競合に負けない金額を模索し決定する。繋がっていなければ、このコントロールの全てを失うわけです。相場を作る者が勝つ、と。これはこれで大変に辛い戦いです。
ワタクシのようにちゃらんぽらんにコンテンツの仕事とかをしていると、コンテンツっていうのは本当に広告の奴隷だなと常に実感しておりまして、コンテンツのプロダクションなんて広告屋から仕事が降ってくるのを口開けて待ってるヤツのいかに多いことか。制作屋に起きている状況はエチオピアのコーヒー農家と現象的には同じであります。
コンテンツはやっぱりビジネス的には広告の道具です(オリジナルコンテンツは除く)。制作屋が制作業に没頭するのが悪いとはいいませんが、きちんとお客さんと繋がること、そして制作のみではなくもっと広い視野でクリエイティブ全般、広報宣伝全般でおつきあいできるようになっていくことが大事かと思っており、そしてそれがワタクシの戦いであります。

You may also like..

ダーウィンの悪夢

アヘン王国潜入記