面白半分

ブログの内容は個人の感想、バイアス満載。異論しか出てこないようなことを書いてます。あと、文章を書く練習中。

「パシフィック・リム」は国産コンテンツの終わりの始まりだったか否か

パシフィック・リムを巡って、「日本のオタクカルチャーがハリウッドを魅了してる!人気ある!世界中で大評判!怪獣だ!特撮リスペクトだ!」みたいな話に視野の狭さを感じます。喜んでて大丈夫ですかね。
だってハリウッドがオタクコンテンツ作っちゃったらもうアメリカのオタ(特にこれからオタに育っていくであろう若手)は日本のコンテンツを買わないですよね。
「それでも買う人は買う、見る人は見る」というのも間違いではないと思うんですが、商売として成り立つレベルで売れなければやっぱり滅びてしまうわけで。
日本の女優を使ったりするのも日本の映画市場が世界2位で、香港が基地になってるのは中国の映画市場が世界3位で、うまく市場を取り込めるからですよね(2013年にはこの2位と3位が逆転する模様)。人間のパイロットと神経接続する巨大ロボの基地なら廃墟になった東京付近の山とかに作った方がいろいろ盛り上がるわけで。

と思ってたり。
実際見てみると、完全なアメリカ映画でしたけど。「エイリアンを追い出す」それだけ。
怪獣の目的が「人類を絶滅させて自分たちが住む。環境破壊が進んだ地球は怪獣に良い環境だから。」って、いうのも明確過ぎて笑えた。怪獣はもっと不条理さが欲しいよね。怪獣を退治した後の「なんだったんだろう」感が結構好きなので、もうちょっと考えさせる展開があったらな、と。やっぱり円谷的、ゲゲゲの鬼太郎的な白黒付けられない感は日本人的な感性なんでしょうかね。
あとは怪獣のデザイン。もっとバリエーションつけた方が見る人も楽しいし、特殊能力も電磁波が1匹いただけで、あとはひたすらパワータイプだったので、もっと異能力で人類を苦しめて欲しかった。マーチャンダイズ的にもその方がいいはず。

ということで、この作品が日本のコンテンツの上位互換の代替品かというとそうではないようでした。とはいえハリウッドの資金と技術力、流通網でこれをやられて、それでも日本の怪獣物コンテンツとかの存在感が増していくかというとそれはNO。やっぱりハリウッドに勝つのは無理にせよ、パイが減っていかないような施策が必要なんだなぁ、と思った次第です。