面白半分

ブログの内容は個人の感想、バイアス満載。異論しか出てこないようなことを書いてます。あと、文章を書く練習中。

コミュ力重視の末路

Life is beautiful:皆が「空気を読み、流れに乗って」ばかりいたらこの国は沈む を読んで。


Life is beautiful:日本の大学生はなぜ勉強しないのか にこんなコメントが残ったそうだ。

「大学のとき、周囲には真面目に勉強している人も結構いたけど、えてして勉強せずにサークル・飲み会etcで普通の大学生していた人のほうが大企業入って出世していて、勉強していた人にはレールから外れて苦労している人が多い。社会に出てから、なるほど人付き合いや飲み会は勉強よりも重要だったんだな、と遅まきながら気がついた。日本て、皆がやっていることをその流れに乗って同じようにできる人が求められている社会で、なまじ大学の図書館にこもって勉強ばかりしている異質な大学生は社会に出た後レールから外れる傾向にあるのだと思う。」

そもそも大企業だとエライんだレールから外れるのがマズいんだってのがコメント主の価値観の前提にある時点で俺とは噛み合ないのは置いといて。人付き合いもコネクション作りも否定はしないけど、こういう風に人付き合いが評価される組織の末路は長い目で見ると悲惨だ。

ゴマスリだのおべっかだのでうまくやるなんてまだ可愛い話で、真の恐ろしさはこれ。

「人付き合いで仕事を引っ張ってくる人が評価され、出世する」


これ、結構既存の企業やビジネス慣習の根源的な問題なんじゃないかと思ってる。組織の設計としてこういう人が評価されるようだと、人付き合いで仕事持ってくる人が組織上昇進する。マネジメント能力とは別に、だ。そうやって評価された人は「人付き合いこそがビジネス能力」という価値観に陥り、自身の能力に陶酔し始める。
営業系のマネジメントでありがちな「なんでも売れる営業になれ」なんてまさにこれ。広告代理店とか商社の人に独特の根拠の無い全能感もこれ。

こういう人がよく自分一人で会社とか始めちゃったりする。

「営業コンサル」「営業代行」


そう、例の「顔つなぎ業」ね。ブローカーとも。
これが始まると今度は人付き合いをレバレッジに何でも売るようになるわけだが、これがまたタチ悪い。紹介キックバックならかわいいもんで、必ず間に入れろとか、打ち合わせの全てをその人経由の伝言ゲームでやるとかどう考えたってキチガイじみてる。

お客さんも欲しいものを生産者からでなくなぜかその人経由で買わないといけないみたいなとこまで来たら末期症状だ。お客さんは「自分の欲しい物は自分で買うから紹介してくれてありがとう」を言う勇気が絶対に必要。ロクな結果にならないからね。トヨタの購買なんて「なぜそこから買うのか」を徹底的に攻める。


とある大手広告代理店のおっさんが素で放った話。

「俺はどこそこの社長と仲がよくてこれは俺あってのビジネス。お前がお客さんに会うなんてありえない」「所詮お前は下請け」

下請けなのは構わんけど、客と話ができない伝言ゲームでお客さんの希望するものなんて作れないし、アンタがSEやってくれんならいいけどサ、って啖呵切って逃げたけどね。「誰それと知り合い」それだけを価値にしてるアンタって何?でもそういう人や組織が異常に氾濫してて本当にやばい。人付き合いが前提で商売を取り始めると、購入の必然性が歪んでくる。


ほら、ね。
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人付き合いを評価すると、組織の努力はそちらを向く。人付き合いがモチベーションになる組織にいるとそういう志向の人になる。本人はすごくデキル気になって気持ちいいんだろうけど、実際それってホント空っぽで、とっても困った人なんだよ、って話。